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投資

2021.12.30

「withコロナの時代、今こそ考えたいお金のこと」未経験者座談会でFPが解説! “投資デビュー”が増えているワケ

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消費者意識調査でボーナスの使い道を尋ねたところ、「貯蓄・貯金」以外の資産運用の方法として「財形貯蓄」「株式」に続き、「投資信託」がランクインしてきた2021年。 コロナ禍で空いた時間や浮いたお金の活用方法として注目を集める金融関連のトピックスについて、まだ投資をしたことがない皆さんを集めた座談会を開催。FPの小沢美奈子さんをお招きして、近年の投資デビュー傾向や、コロナ禍での支出や貯蓄額の変化など、投資やお金の使い方を巡る現在の状況について解説いただきました。あなたにとって、マネープランを考えるきっかけが見つかるかも!

今回お話を伺ったのは…

小沢美奈子さん:大学卒業後、損害保険会社にて社員教育、研修講師などを経験。転職先の外資系損害保険会社で営業に従事。2012年よりFPとして活動開始。Webや書籍などで記事執筆、セミナー講師、家計相談などを行う。初心者向け資産運用相談やシニアのライフプラン相談にも力を入れる。

参加者

Kさん 20代後半・夫と二人暮らし
結婚して二年半。夫と二人で貯金はしているものの、投資は経験がなく、
これからのライフプランを考えると何か始めた方がいい気がするが、知識がなくて迷っている。

Tさん 20代後半・シェアハウス暮らし
同世代が多いシェアハウスに引っ越したところ、お金の話をする人が意外といてびっくり。
自分もこれからお金が必要なライフイベントが発生しそうなので、何かやりたいと思っている。

Nさん 30代後半・一人暮らし
職場では自分が先輩としてお金を支払う場面も多く、貯金がなかなか増やせない。
実家のお金の使い方も気になっているので、投資についても興味はあるが、情報が多すぎてはじめるのが難しそうというイメージ。

自粛生活で支出にどのような変化があった?

小沢FP:早速ですが、今日は皆さんのお金の使い方からお伺いしていきます。
外出自粛などで生活スタイルもこの一年で変わってきていますが、”ここにお金を使うようになった!”というものや、逆に使わなくなったところはありますか?
Kさん:去年の緊急事態宣言のときは、テイクアウトを利用するようになり食費がかさみましたね。でも出勤がない分、洋服代や化粧品の支出が減りました。

Tさん:大きかった外食費や交際費がまるごとなくなった分、シンプルに貯金が増えました。

Nさん:リモートワークで残業代が減ったことなどで、全体的な収入が減りましたね。外食する機会も減ったので、お金の使い方は変わりましたね。

小沢FP:まさに皆さんのように、世の中全体としても外食費や旅行などに伴う行楽費用は減少していますね。消費者庁が発表している『令和3年版消費者白書』によると、2019年から2020年にかけて支出の割合が減ったのは外食費、交通費、教養娯楽費(旅行や習い事など)でした。

コロナ禍で貯蓄は増加傾向!しかし金利は…

小沢FP:Tさんのように、コロナ禍で外食費や旅行費などの支出が減ったことにより必然的に貯蓄が増えた人は多く、日本銀行が発表している2021年4月の『展望レポート』によると、コロナ禍で消費機会をなくしたことによって増加した貯蓄(強制貯蓄)は2020年の累計で20兆円程度と言われています。
ちなみに、皆さんは貯蓄をどんな形でやっていますか?

Tさん:貯金用口座もつくっておらず、給与とカード引き落としが同じ口座です。減りが少ないという実感はあるものの、積極的な行動はできていません…。

Kさん:地方銀行の口座で主人と二人で決まったお金を入れて、基本的には触らないお金にしています。入れるだけなのでタンス貯金と変わりはないですね。

小沢FP:毎月着実に貯めているのは素晴らしいですね!ただ、現在の定期預金の利率はどうしても低くて、年利0.002%程度の金融機関が多いのです。例えば100万円を10年預けても200円の金利しかつかない、というような時代なのです。日本では低金利が長らく続いており、預貯金の金利だけではなかなかお金が増えない状況なんですね。そのような中、2019年には老後2,000万円問題が物議を醸し『いかに老後の資金を形成するか』ということが注目されました。このような背景から、預貯金以外の資産運用の方法として近年”投資”が注目されているんです。

「投資」についてどんなイメージ?

小沢FP:貯蓄はそれぞれのスタイルで実践されているようですが、投資に興味はありますか?

Kさん:難しそうというイメージが強く手を出せていません。実際にやっている父親に相談したいなと思っているのですが、コロナ禍で会えず聞く機会もなくて…。あとは、普段の生活を続けながらプラスのお金を用意して運用することが難しいと感じています。
Tさん:僕もまとまったお金がまず手元にあってそれを運用するイメージです。そう考えると、今はまとまったお金が自分の手元にあるわけではないので、この状態で始められるイメージがないですね。
Nさん:情報が多すぎて、何を参考にしていいのか、何から手をつけていいか…というところで迷ってしまい止まっていますね。
小沢FP:投資に興味は持ちつつも”難しい”、”まとまったお金が必要”というイメージがあって始められていないのですね。ちなみに、皆さんのまわりで投資をしている人はいますか?また、いざ始めるとして、どんな疑問がありますか?

Tさん:同じ年代のシェアメイトが投資の話をしていて、話をあわせつつ自分も勉強しなくちゃとちょっと焦っているところです。

Kさん:ずっと投資をしている父親からは勧められていますね。

Nさん:疑問でいうと、やっぱり投資の種類が多いというイメージがあって、何から始めていいのかわかりません。

小沢FP:まわりでお話を聞く機会はあるのですね。また、投資できる金融商品の種類が多く、迷ってしまうという気持ちももよく分かります。私が初心者の方におすすめしているのは、”まずは投資信託のつみたてをはじめてみよう”ということです。毎月最低100円からつみたてられる証券会社もあるので、最初の一歩としてぴったりだと思います。投資信託のつみたてをする際は、つみたてNISAという制度を使うといいですよ。つみたてNISAで投資信託のつみたてをすると、投資で利益が出た際の税金がかからないというメリットがあります。また、つみたてNISAは自分で商品を選んで運用するのですが、その過程において自分で色々調べることで、投資に関する知識を身につけることもできますよ。
投資について勉強する方法としておすすめなのは、まずベストセラーや増版されている一冊の本を選んで読むことです。金融機関にいきなり行って窓口の人に相談するよりは、自分で興味を持って調べることがレベルアップへの近道だと思います。

※つみたてNISA:特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度(2018年1月開始)。対象商品は、手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されており、投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組みとなっている(出典:金融庁HP)

投資デビューする人が増加中!その理由とは?

Kさん:投資デビューする人が増えているというのをニュースで見たのですが、どれだけ多いんでしょうか?私たちのような20・30代が多いんでしょうか?どんなきっかけで始めているのかも気になります。

小沢FP:ネット証券を中心に、証券口座を開設する人が大幅に増えているようですね。大手ネット証券で見ると、楽天証券では2020年の新規口座開設数が前年に比べて78%増加、SBI証券やSBIネオモバイル証券を運営するSBIグループも同様に109%増加しています。
また金融庁の調査では、つみたてNISAの口座開設数が特に20・30代で伸びており、2020年では約74%増加しています。コロナ禍において経済的な不安を感じた人、外出自粛によって時間やお金が浮いた人が多く、金融関連の行動に注目が集まっているのがこの2年余りの大きな流れです。ネット証券やスマホ証券の存在が身近になってきたことも理由の1つとして考えられます。
私のところに来る方でも、従来多かった40・50代より、みなさんと同じく20・30代の投資に関する相談が増えている印象ですね。若い人のお金に関するアンテナが以前より立っているような感覚があります。少し大きな話になりますが、お金は“増やす”、“貯める”、“使う”、“贈る”といろいろな動きがあり、投資は“増やす”ための行動です。
現在の預貯金は金利が低いので、投資という行動を取ることによってお金を“増やす”ことはとても大事になってきます。お金が増える楽しみを知ることも重要ですね。

Nさん:“貯める”だけではなく“増やす”ことを考えるのが大事なんですね。

ネットを活用して手軽に始めている人が多い!

Tさん:どういった形で投資を始めている人が多いですか?

小沢FP:やはり、つみたてNISAやiDeCoで始めている人が多いです。経験を積んだのちに、自分で株を選んでみるステップに進んでいきます。
つみたてNISAやiDeCoは長期の積み立て投資を目的とした制度です。つみたてNISAは毎月最低100円から、iDeCoは月5,000円からと少額で始められるため、初心者にもハードルが低い投資です。
一度商品を選んで毎月の投資額を決めておけば、自動で積み立てられる“ほったらかし投資”が可能なので、お仕事で忙しい人にも向いています。つみたてNISAを始めるには、証券会社の証券総合口座とNISA口座の両方の開設が必要。証券会社のホームページやアプリで必要情報を入力し、本人確認書類を提出して申し込みを行います。本人確認書類の提出はスマホのカメラからアップロードできる金融機関が多く、申し込みから口座開設までネットで完結するので“すきま時間”を利用してサクッと手続き可能です。
NISA口座の開設には税務署の審査が必要で、1ヵ月ほどかかりますが、ネット証券などでは税務署の審査前に取引ができるよう”仮開設制度”が設けられています。この仮開設制度がある証券会社なら申し込みから最短1~2営業日で取引できるようになるため、モチベーションの高いうちに始められますよ。

※iDeCo:公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金制度の1つ。公的年金と異なり、加入は任意となる。加入の申し込み、掛金の拠出、掛金の運用の全てを自分で行い、掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受け取ることができる。(出典:厚生労働省HP)

毎日仕事で夜まで忙しくて時間がない…!それでも投資をしている人の方法って?

Kさん:つみたてNISAやiDeCoの言葉自体は知っていたのですが、お話を聞いて、投資に対してのハードルが下がった気がします…!ちなみに今“ほったらかし投資”という言葉が出てきて、日中は仕事をしているので”いいな!”と思ったのですが、もし今後もっと投資をやってみたいと思ったときに、次の段階としておすすめのスタイルはありますか?

小沢FP:お金に前向きでいいですね!次の段階に進むとしたら、お忙しい皆さんには、例えばPTSに接続しているネット証券を利用するという方法があります。PTSとはProprietary Trading System(私設取引システム)の略称で、証券取引所の取引時間外でも取引できるシステムです。日中は仕事でなかなか時間が取れない人でも、夜間にじっくり株取引を行うことができます。(※)
簡単な投資から始めて、次は株取引に挑戦してみようと考える人にはおすすめの方法ですよ。

Tさん:夜でも取引ができる市場があるんですね。日中に株価の動きを見るのが株取引のイメージだったのですが、夜間取引ということ自体を初めて知りました。

小沢FP:投資の相談に来られる方の多くは “将来は個別株をやってみたい!”という考えをお持ちで、そういった方にもPTSの活用方法があることをお伝えしています。ちなみに株の探し方としては、“将来的に需要が伸びそうな産業”を見ていくと、仕事や生活の中でも関連付けて探しやすいですよ。例えば新製品が話題になっていたらそれに関連する業界を見てみるとか、自分が実際に行ってみていいと思ったお店について調べてみるなどもきっかけになりますね。

※PTSでの取り扱い銘柄は、国内に上場している株、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)のみとなり、投資信託は含まれていません。

これからのお金を考えたい今だからこそ、早めに投資を始めてみよう!

Kさん:投資はハードルが高いと感じていました。でもお話を伺って簡単に取り組めることがわかったので、まずは今日をきっかけに始めてみたいなと思いました。チャレンジしてみないとはじまらないですよね!

Tさん:投資の入り口で迷っていましたが、書籍から読んでみるというのはなるほどなと思うと同時に、自分で調べて知識をつける重要性がわかりました。老後は遠い話だなと思っていたけれど、まずは自分の現実的なライフイベント(結婚など)を想定して始めてみたいです。

Nさん:まずやってみるという行動が大事ですね。なかなか腰を上げられなかったのですが、お話を聞いてやる気が出たので、ネット証券の口座開設から調べてみようと思います。

小沢FP:投資をする際は“投資の感覚に慣れる”ということも実は重要。そのためには、今回のような情報を知ったタイミングをきっかけに、すぐに投資を始めてほしいです!“投資は難しい”というイメージを持たれがちですが、毎月自動で積み立てられるつみたてNISAやiDeCoのような制度を活用すれば初心者でも始めやすいと思います。そのあとのステップアップも楽しんでみてください。皆さんが働いて得る収入が人生を回す基本の車輪だとすると、投資は第二の車輪となってくれるものです。早く始めるほど効果が得られるので、この記事を読んだ方”今すぐ始めちゃおう!”という気持ちでぜひ投資に取り組んでみてください。
★編集部より:PTSって何?
投資を進めるステップの中で出てきた「PTS(Proprietary Trading System / 私設取引システム)」という言葉。PTSとは、投資家が証券取引所以外で有価証券を売買できる市場で、東京証券取引所(東証)の代替市場としての役割を期待されるシステムです。
東証とは異なる呼値や注文方法での取引執行が可能で、証券取引時取引時間外の朝や夕方、夜にも取引ができます。PTSを直接利用できるのは証券会社ですが、証券会社の顧客である投資家が売買注文時に「PTS発注」あるいは「SOR発注」を選択することで間接的にPTSを利用することができます。日本でPTSを運営しているのはジャパンネクスト証券 、チャイエックス・ジャパンの2社のみです。
詳しくはこちら:https://www.japannext.co.jp/ja/pts
本記事に掲載されている全ての情報は、2021年8月23日時点の情報に基づきます。

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