突然のストップ安・ストップ高……夜間のPTSなら売買できる!? 知っておきたい夜間取引の活用術
保有株の突然のストップ安や、狙っていた銘柄のストップ高に立ち尽くした経験はありませんか?東証が閉まった後も売買できるPTSの夜間取引を活用した、具体的なリスク管理や投資戦略を元ディーラーのBコミ(坂本慎太郎)さんが解説します!
日々の株式投資の中で、保有している銘柄が突然「ストップ安」になってしまったり、逆に目をつけていた銘柄が「ストップ高」に張り付いて買えなくなってしまったりした経験はありませんか?
東証の取引時間(15時半まで)に株価が制限値幅の限界まで達してしまうと、売りたいのに売れない、買いたいのに買えないという状態に陥り、画面の前でただ立ち尽くすしかなくなることも少なくありません。
しかし、そこで諦めるのは早すぎます。東証が閉まった後も取引ができる「PTS(私設取引システム)」の夜間取引(ナイトタイム・セッション)を活用すれば、翌営業日を待たずにアクションを起こせるケースがあるのです。
今回は、ストップ安・ストップ高という株価急変時に、PTS夜間取引をどのように戦略的に活用すべきか、具体的な事例を交えながら実践的な手法を解説します。
ストップ安で売れない株、PTS夜間取引ではどう動いた?
まずは「ストップ安」のケースから見ていきましょう。
東証でストップ安になり、売り注文が殺到して比例配分(※)すら勝ち取れなかった場合、その日のうちは売却することができません。「明日、さらに暴落したらどうしよう……」と不安な夜を過ごすことになります。
※比例配分:ストップ高・ストップ安のまま取引が終了した際、残った買い・売りの注文に対して、証券会社ごとに注文数量などに応じて株を割り当てる仕組み。
ここで大きな役割を果たすのが、17時から始まるPTSの夜間取引です。
PTSの夜間取引における制限値幅は、「その日の東証の終値」をベースに設定されます。そのため、東証でストップ安の銘柄は、PTS夜間取引でも原則としてそのストップ安価格が上限・下限の基準となります。
東証で売り注文が殺到して「買い手が全くいない」状態であっても、PTS夜間取引では「翌日のストップ安ならリバウンドを狙って買いたい」と考える逆張り投資家や、空売りの買い戻しを狙う投資家が一定数存在します。そのため、日中の東証では1単位も売れなかったのに、PTS夜間取引では売却が成立するというケースが実際に起こるのです。
損失をこれ以上拡大させたくない投資家にとって、夜間のうちにポジションを整理できるチャンスがあることは、リスク管理において極めて大きなアドバンテージとなります。
それでは、記憶に新しい、市場を震撼させたリアルな急落事例から、PTS夜間取引市場がどのように投資家の「避難所」として機能したのかを見てみましょう。
【実例】最高益発表なのにストップ安となったフジクラ(5803)
同社は5月14日の取引時間中の14:00に決算を発表。売上高が創業以来初となる1兆円を突破し、過去最高益を更新するという好決算でした。
しかし、同時に発表された翌期の業績見通しが市場の期待に届かなかったことから、市場の評価は一転。大口投資家からの売り注文が殺到し、東証では注文が捌ききれないまま、制限値幅いっぱいのストップ安(前日比-1,500円)に張り付いて取引を終えました。
いきなりのストップ安にパニックになった投資家も少なくありませんでしたが、その日の夕方に始まったPTSの夜間取引では、東証とは全く異なる「動的な変化」が起きました。
PTS夜間取引で起きた「3つの事実」
日中の取引時間中に東証で売れずに身動きが取れない状態となった投資家たちに対して、PTS夜間取引は以下のような貴重な取引機会と情報を提供しました。
①東証で売れなかった株の取引が「夜間」に成立した
東証の制限値幅は「その日の終値」をベースに引き継がれます。東証ではストップ安に張り付いていましたが、PTS夜間取引では押し目買いを試みる個人投資家や、空売りの利益確定を狙う買い戻しが集まり、活発に売買が成立しました。
②翌日のさらなる下落を待たずに、夜のうちに「損切り」ができた
「明日の朝はもっと下がってしまうかもしれない」と恐怖を感じた投資家や「損切りを行いたい」という投資家は翌朝9時を待つことなく、夜のうちに保有株を売却し、ポジションを整理してリスクを排除することができました。
③翌朝の東証の寄り付き株価を「先読み」できた
この日のPTS夜間取引では、ストップ安価格付近での買いの勢いや、実際の出来高がリアルタイムで把握できました。夜間取引でもストップ安にならなかったといった、翌営業日に向けた冷静な投資戦略を夜のうちに練ることができたのです。
実際、翌日の東証では、PTS夜間市場で仕込んだ投資家たちの思惑も絡み合いながら、激しい攻防が繰り広げられました。
このように、東証がストップ安で売ることができない状態であっても、ジャパンネクスト証券(JNX)などのPTS夜間取引を活用すれば、「いち早くリスクを回避する、あるいは次の戦略を仕込むアクション」を夜のうちに起こせるのです。
フジクラ(5803)(引用元:ジャパンネクスト証券)
“ストップ高の波”にどう乗る?夜間市場から読み解く翌日の戦略
次に「ストップ高」のケースです。好決算や好材料を背景に買いたい投資家にとっては「欲しかったのに買えなかった」という機会損失の場面でもあります。
東証でストップ高に張り付いた銘柄に対し、PTS夜間取引を活用してどのように翌日の戦略を立てればよいのでしょうか。
驚異的なサプライズ決算を発表し、東証でストップ高比例配分となった企業があった場合、買えなかった投資家が翌日の東証の寄り付きで買おうとすると、翌日はさらに制限値幅が拡大していたり、気配値が大きく上昇し、高値掴みになるリスクがあります。
ここでPTS夜間取引の気配値や出来高をチェックすると、翌日の市場の「熱量」を先読みすることができます。
PTS夜間取引での動き・翌日の東証の予測と戦略
① 夜間取引でもストップ高に張り付き、出来高が多い翌日の東証でもさらなる上昇が期待できる場合は夜間取引の可能な段階で買っておくことが選択肢に入ります。
②夜間取引で取引は成立しているが、東証のストップ高価格よりやや安く推移している材料の買い一巡感が出ている可能性。翌日の東証では寄り付きが高値となる「寄り天」になるリスクがあるため、飛び乗り買いは控えるのが賢明です。
③夜間取引での出来高が極端に少ない、個人投資家の関心が薄れている、または売り手が全くいない場合、翌日の動きは不透明なため、朝の気配値が出るまで様子見が安全です。
このように、夜間取引は「翌日の東証の前哨戦」としての機能を持っています。
東証で取引ができない時間帯に、他の投資家がその材料をどう評価しているのかがリアルタイムの株価として反映されるため、翌朝9時を待たずに「買いを入れるべきか」「見送るべきか」の冷静な判断を下すことができるのです。
「もしも」の急変時に慌てないためにも、また一歩レベルアップした投資戦略を実践するためにも、ぜひ今夜からPTS夜間取引の気配値をチェックしてみてはいかがでしょうか。
ジャパンネクスト証券のPTSは日中取引と夜間取引を提供しており、17時以降もリアルタイムで取引を行うことができます。2026年6月現在、ジャパンネクスト証券PTSの夜間取引は、SBI証券、松井証券、楽天証券を通じてご利用いただけます。
※本記事に掲載されている全ての情報は、2026年6月9日時点の情報に基づきます。
※あくまでもBコミ(坂本慎太郎)さん個人の投資手法を説明するための例示および見解であり、ジャパンネクスト証券株式会社が取引の勧誘をするものではありません。