取引・トレーディング

2026.09.25

話題の銘柄を25日移動平均線で検証!【チャート分析で振り返る:キオクシアホールディングス(285A)】

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チャート分析であの時の相場を振り返る!話題の銘柄キオクシア(285A)の動向を25日移動平均線で徹底検証。失敗しない売買戦略について、個人投資家としても実践的な情報発信を行う公認会計士・税理士の足立武志さんが解説します。

今回お話を伺ったのは…
足立武志(あだちたけし)さん

足立武志(あだちたけし)さん

公認会計士・税理士・個人投資家。足立公認会計士事務所代表。株式会社マネーガーディアン代表取締役。一橋大学商学部経営学科卒業。
28年にわたる株式投資の経験をもとに、個人投資家が株式投資・資産運用で成功するために必要な実践的な知識・情報を書籍、セミナー、コラム、ブログ、メルマガ等で精力的に提供。「株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書」「株を買うなら最低限知っておきたい 株価チャートの教科書」(いずれもダイヤモンド社)はシリーズ累計27万部のベストセラー。楽天証券にて株式投資や税金コラムを15年にわたり連載中。
公式ブログ:https://kabushiki-adachi.com/
登録件数2万5千件超の無料メールマガジン「上位10%の負けない株式投資」
http://makenaikabushiki.com/lp_mail/

キオクシアホールディングス(285A)の株価推移を振り返る

(引用元:ジャパンネクスト証券)

半導体メモリー(NAND)専業の世界大手であるキオクシアホールディングス(285A)(以下「キオクシア」)は、2024年12月18日に上場したばかりの銘柄です。
上場時の公募価格は1,455円。それが上場初値1,440円と、公募価格割れでスタートしていたことを知っている投資家はあまり多くないのではないでしょうか。
上場当時はNAND市況もよくなく、2023年3月期、2024年3月期と2期連続で1,000億円以上の赤字決算だったことも影響していたと思われます。
そんなキオクシアが、2026年6月には112,700円の高値まで駆け上がりました。わずか1年半で株価がなんと78倍にまで上昇し、一時は全上場企業の時価総額トップにまで達したのです。
筆者は株式投資には夢があると常々話していますが、まさにキオクシアはその典型例だったのではないでしょうか。
筆者もキオクシア上場時は特段気にかけていませんでしたし、上場初値が公募価格割れとなったときも何も驚きませんでした。
上場時は2期連続赤字決算でしたから、ファンダメンタルの知識が多少ある個人投資家は、キオクシアの新規公開株を申し込まなかったと思われます。
一方、それほど株式投資に熱心ではなく、証券会社からのキオクシア新規公開株の勧誘に「とりあえず買っておくか」といった消極的な人ほど、キオクシア株上昇の恩恵を受けることができたのではないでしょうか。
ただ、株価が短期間に急騰した銘柄の宿命ともいえますが、112,700円の高値を付けた後は1か月ちょっとで36,020円まで急落、この間の下落率は68%に達しました。
よく株式投資の世界における底打ちの基準として「半値・8掛け・2割引き」と言いますが、これがちょうど68%下落した32%水準ですから、キオクシアの場合はぴったり当てはまったことになります。
キオクシア株の大幅な上昇、その後の急落について、ファンダメンタル(業績面)の推移も交えつつ、振り返ってみたいと思います。

上昇トレンドの間、継続保有することで大きな利益に

筆者の投資手法は、「上昇トレンドの間は保有継続し、下降トレンドになったら売却する」です。
株価の動きというものは基本的には読めません。良い会社だから…と思ってその会社の株を持ち続けた結果、大きく下がってしまった、という失敗談はとてもよく聞きます。
一方、ちょっと上昇しただけですぐ売ってしまっては、大きな利益を得るせっかくの機会を逃してしまいます。
そのため、損失はできるだけ小さく、利益はできるだけ大きくするためにこの手法を使っています。
具体的には、25日移動平均線を超えたら買い、割り込んだら売る、というシンプルな方法です。
<25日移動平均線を用いて売買タイミングを読むポイント>
キオクシアであれば、2025年9月上旬に25日移動平均線を上回った時点で買い、11月下旬の25日移動平均線割り込みで売却すれば、大きな利益を得ることができました。
同様に、2025年の年末に25日移動平均線を上回ったところで買い、2026年3月はじめに割り込んだところで売却すれば、こちらも大きな利益につながりました。

超好業績の予想なのに株価が急落!(2026年5月~7月)

(引用元:ジャパンネクスト証券)

2026年4月はじめも同様で、25日移動平均線を超えたところで買って7月初旬に割り込んだところで売れば、株価はその間数倍になりました。ただし、この間の動きには十分気を付ける必要がありました。
2026年5月15日の決算発表において、来期(2027年3月期)の業績予想が予想を大きく上回るとてつもない好業績であることが明らかになり、株価もその後さらに大きく上昇しました。
しかし、6月22日に112,700円の高値を付けた後は株価が急落、7月30日には36,020円まで下落したことは上でお伝えした通りです。
この時に気を付けるべきなのが、好業績だからと、株価が下降トレンドに転じても保有し続けることに対する危険性です。
キオクシア株は7月上旬に25日移動平均線を割り込みました。この時の株価は80,000円前後です。
しかし、ファンダメンタルに囚われすぎてしまうと、「業績絶好調なのに株価が下がるのはおかしい!そのまま保有していればまた上がるだろう」と思ってしまいます。何せ業績絶好調なのにPERが10倍を割り込んでいましたから。
株価が下落してもキオクシア株を持ち続けたら、80,000円からさらに株価は半値以下にまで下がってしまったのです。
もともとキオクシア株をかなり安く買えていた方ならともかく、かなり株価が上昇してから買った場合には含み損を抱えて塩漬け株になってしまったことでしょう。
好業績予想にもかかわらず株価が下落して下降トレンドとなった場合は、業績よりも株価の動きを重視して行動することが、大きな損失を避けるポイントとなります。

好業績・好材料も株価は横ばい(2026年8月~)

(引用元:ジャパンネクスト証券)

2026年7月31日、キオクシアは2027年3月期第1四半期決算を発表しました。売上は対前年同期比約5倍、利益は約46倍という驚異的な数値でした。
また、決算発表と同時に1対3の株式分割と、上限8,000億円の自社株買いも発表されました。
決算発表に先立つ7月30日には、高値から68%下落した36,020円まで株価が連安していました。しかし、第1四半期も好業績が継続したことに加え、株式分割や自社株買いといった好材料が好感され、8月18日には63,350円まで反発しました。
ただし、その後は8月31日に45,980円まで下落するなど一進一退の動きとなっています。

好業績でも株価がそれを織り込むと天井をつける可能性

現在、キオクシアに関するネットの掲示板などを見ると、個人投資家の中には「超絶好決算だからそのうち株価は再び高値を更新するはず!」「今は含み損だけど、損切りしないで持ち続けていればそのうち上がるはず!」といった見解が目立ちます。
ただし、この考え方は、株式投資を続けていくうえで非常に危険です。
確かに長期的に見れば株価は業績に連動します。しかし、株価は実態を超えて上下に行き過ぎることがよくあります。特に半導体関連銘柄のように好業績と業績悪化を繰り返すセクターでは、株価もそれに合わせて大きく乱高下してしまいます。
6月22日に112,700円の高値をつけたあと、わずか1か月で68%の下落となったのはさすがに行き過ぎだったかもしれません。しかし、その後も高値から半値ほどの水準にとどまっているということは、少なくともプロ投資家の視点からは将来の好業績は株価に織り込み済みで、今後の好業績の継続について懸念を抱いている投資家が多い、とみておいたほうが無難ではないかと思います。

バイ・アンド・ホールドは結果的には正解だったが…

中には「1年半で78倍まで株価が上昇したのだから、買ったり売ったりせず、そのまま保有を続けていても良かったのでは?」という疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。それについては、筆者は「結果論としては正解」と結論付けています。
正直なところ、キオクシア株が注目を集めたのは株価がかなり上昇してからのことです。10万円以上の高値で買い、その後の急落に巻き込まれた投資家も少なくないはずです。このような状況で放置してしまうと、株価が一向に戻らず塩漬け株になってしまう危険性があります。
また、今回は劇的な上昇を遂げたキオクシアを例に挙げていますが、一般的な銘柄で長期保有を続けた結果、下落が止まらず多額の含み損を抱えてしまうケースは後を絶ちません。これこそが、個人投資家によくある典型的な失敗パターンです。
「買ったら持ち続ける」という手法については考え方が分かれますが、筆者はバイ・アンド・ホールドした結果、塩漬け株を作ってしまう事態そのものを避けるべき、と考えているため、株価のトレンドに沿った売買をしています。
※本記事に掲載されている全ての情報は、2026年9月15日時点の情報に基づきます。
※あくまでも足立武志さん個人の投資手法を説明するための例示および見解であり、ジャパンネクスト証券株式会社が取引の勧誘をするものではありません。

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