金融・投資

2024.01.18

ボーナスを活用して資産形成を加速!インデックスと個別株を使い分けよう

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2023年夏のボーナスは、一般財団法人労務行政研究所のデータによると、東証プライム上場企業の全産業ベースで約79.4万円となっていて、前年同期比1.5%の増加となっています。ボーナスは上昇傾向にありますが、物価の上昇以上には伸びていないのが現状です。これからは、労働に頼るだけではなく、投資による資産形成が必要になってきます。ボーナスを活用して投資を始めてみたい方や、ボーナスで得た資金を運用にまわして、さらに資金を増やしたい方に向けて、私が活用しているインデックスと個別株を使い分けた運用方法を紹介し、資産形成をスピードアップさせるヒントをお伝えします。

今回お話を伺ったのは…

片山理恵さん

片山理恵さん

ファイナンシャルプランナーの資格取得と3男出産をきっかけに株式投資を開始。
株式投資の楽しさと、労働以外で資産形成ができる大切さに気づき、
電子書籍、ブログやメールマガジンで株式投資やちょっと難しいお金のことをわかりやすく発信中。
電子書籍は、ベストセラー『株式投資で初心者を卒業するために実践したい25のこと』他がある。
https://amzn.to/3x5xjIK
株式投資を楽しく学べるメルマガ「株好きFPかたやまりえの株式投資時々マネーの話」
http://foomii.com/00264

ボーナスは特別費と資産運用に充てるのが理想

まず、ボーナスは生活費の補てんではなく、通常の日常生活費には使わないもの、つまり特別な支出や将来のための資産形成に充てることが大切です。特別費とは、例えば旅行、家電、自己啓発のための学習代など、生活の質を向上させること、自分へのごほうびなどに当たります。資産運用に充てる金額は、ボーナスの20%程度が目安です。その20%のうち、半分をインデックス投資に、もう半分で個別株投資などにチャレンジしてみてもよいでしょう。すでに投資をされている方は、ご自身がストレスに感じない範囲で投資額を増やしましょう。やはり投資資金が大きいほど資産形成には有利になります。インデックス投資がわからない方もいらっしゃると思いますので、後ほど具体的な解説をします。

投資未経験者も経験者も!まずはつみたてNISA

これから投資をやってみようと考えている方は、まずはつみたてNISAを利用してインデックス投資から始めるとよいでしょう。

つみたてNISAとは、投資信託などの金融商品を年間40万円、20年間非課税で運用できる制度です。主に投資信託を利用して、定期的に定額を投資し、長期間運用することで資産が増えやすくなります。2024年からは、制度がリニューアルされ、年間の投資枠が120万円になり、さらに非課税期間も無期限に変更されます。非課税とは、運用益に対して通常20%の税金がかからないということです。

2024年からは、より長い期間運用可能になりますし、売却したあとは、投資金額の枠も復活するため、資産をこれまでより大きく増やせる可能性が高まるのです。最初は、怖いと感じる方も多いと思いますが、100円からでも投資可能なので、どんなものか練習することも可能です。

また、インデックス投資とは、市場の値動きを示す指数、例えば、日経平均や、NYダウ、中国上海総合指数など、その市場を構成する複数の銘柄に分散投資できる投資手法です。このインデックス運用の投資信託で、長期運用することで世界経済の成長とともに資産価格が値上がりして、その運用益を得ることができるのです。全世界の株式を集めた投資信託である、全世界株インデックスでは年率4~5%程度の運用益が得られると言われています。インデックス投資のメリットは、運用期間が長ければ長いほど良いのですが、デメリットは資産形成に時間を要することです。このデメリットを補う可能性があるのが、個別株とも言えます。

個別株にチャレンジするなら初心者は高配当株投資がおススメ

先ほど述べた2024年から始まる新NISAは、つみたて投資枠の他に、成長投資枠に年間240万円を、無期限、非課税で投資することができます。この投資枠を使うなら、私は高配当株投資をおススメします。高配当株投資とは、比較的配当金が高い銘柄に業種を分散して投資し、配当金をもらうことを目的とした投資手法です。もちろん、配当金も非課税で受け取ることができます。(口座開設の際に、配当金の受取方式を株式数比例配分方式にする必要があります)リスクとして、業績が悪化して減配(配当の減額)や無配になり、株価自体も下落してしまう可能性には注意してきたいです。

選ぶ際には、過去とこれからの業績を見ること、安定して成長していて、配当金も業績に連動して増えていくことを投資家に提示しているような企業を選ぶようにしましょう。そして、投資後も定期的な業績の確認をすることが大切です。

さらにチャレンジしたいなら値上がり益を狙う個別株投資も

配当目的でなく、株価の値上がりを狙って個別株投資をすることもおススメです。個別株投資は、勉強は必要ですが短期間で資産を増やせる可能性もあり、インデックス投資にはない楽しさがあります。個別株投資の楽しさとは、何と言っても未知なる企業について知ることができることや、世の中の身近な出来事に対して敏感になれることでしょう。ご自身が努めている企業や、同業界のことは詳しいものですが、それ以外の世界も知ることができて、「こんな企業があるんだ!」と今まで全く知らない知識に刺激を受けることができます。また、街中の店舗での行列や、商品の陳列棚から、流行っているサービスや商品も見えてきてきます。それらが投資のヒントになり、世の中の見え方が変わるところが個別株投資の楽しさです。

楽しみながらうまくいけば、インデックス投資以上の運用益が得られますが、デメリットはやはり、大きな損失になってしまう可能性もあるということです。ですから最初は怖いと思う人がほとんどでしょうから、1株から買ってみる、または、100株でも10万円以内で買える銘柄から選んでみるといったように少額からトライしてみてくださいね。それなりの勉強時間、損失、経験も要するのが個別株投資です。なお、NISA枠で個別株を買って損失が出た場合は、特定口座で出ている利益と相殺ができないため、値上がり目的で取引する場合は、特定口座で取引することも検討しましょう。

インデックス運用と個別株投資両方することのメリット・投資で大切なこと

インデックス投資と個別株投資をすることのメリットは、インデックス投資は、数年経過すると運用益が出てきやすく、安心安定して運用できるため、個別株投資で多少失敗しても、心の余裕が持てることです。私は、現在つみたてNISAなどを利用したインデックス投資の他、配当株投資と値上がり目的の個別株投資をしていますが、インデックス投資は順調に資産が増えているので、個別株投資で多少失敗しても、落ち着いて投資ができています。

私自身が、投資を始めて大切だなと感じたことは、インデックス投資も個別株投資も、とにかく長く続けること、経験値を増やすことです。特につみたてNISAのようなインデックス投資では、短期間では資産がマイナスになることも多く、心穏やかではない時間も体験するかもしれません。しかし、経済が成長する限りは資産価値は上昇する傾向にありますので、続けることが大切なのです。また、投資を始めたタイミングによっても運用成績が左右されます。私が始めたときは偶然にもよい相場でしたので、利益も得られやすい相場でしたが、景気後退局面のような相場ではどうしても利益は取りづらくなりますし、たくさん失敗もしています。そのような相場環境からスタートされた方は、思うように成果が出なくて楽しくないかもしれませんが、長く続けていると、必ず誰でも利益がとりやすい相場がやってきます。それまでに小さな失敗を積み重ねながらも、常に大きな波に乗れるチャンスを待つつもりで投資を続けることが大切です。

投資信託は、購入手数料が無料の商品が多くなり、運用手数料も安くなりました。個別株投資も、取引手数料が安く、投資単価も低くなってきています。ジャパンネクスト証券が運営している夜間取引システムのPTSでは、個別株が夜間でも取引できます。投資しやすい環境がどんどん整ってきています。これから始める方はまずは少額で、すでに始めている方は、無理せず長く続けてくださいね。
*参考資料
一般財団法人労務行政研究所
https://www.rosei.or.jp/attach/labo/research/pdf/000084903.pdf
※本記事に掲載されている全ての情報は、2023年6月19日時点の情報に基づきます。
※ あくまでも片山さん個人の投資手法を説明するための例示および見解であり、ジャパンネクスト証券株式会社が取引を誘引するものではありません。

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