金融・投資

2024.07.22

今回お話を伺ったのは…

松村雄太さん

松村雄太さん

Web3総合研究所 代表。早稲田大学商学部卒。新卒で外資系IT企業に入社後、インドに1年間駐在。その後、外資系コンサルティングファームを経て、メディア系ベンチャー企業にて日本の大手企業向けに、国内外のスタートアップやテクノロジートレンドのリサーチ・レポート作成を担当。社会人一年目から国内外の株式や暗号資産への投資を実践。近年はNFTをはじめとしたWeb3分野に注目している。
現在はWebメディア「Web3総合研究所(https://crypto-ari.com) 」を運営しつつ、NFT、メタバースなどについて学べるコミュニティを主催。
書籍の執筆や監修、講座の作成や監修、講演、寄稿などの活動にも力を入れている。
著書に『NFTがよくわかる本』、『メタバースがよくわかる本』など、監修書に『Web3がよくわかる本』、『イーサリアムがよくわかる本』(全て秀和システム)など多数。

AIと投資の今

「AIが人間の仕事を奪う」と言われて久しいですが、近年はさらに進化したAIが大きな注目を集めています。質の高い画像を次々と生成できる画像生成AIのMidjourneyやStable Diffusion、英語でも日本語でも自然な文章を生成する対話型AIのChatGPTやBardは特に注目されています。AIが代替できそうな​人間の仕事は年々増えていますし、今後はもっと増えることでしょう。
AIとどのように共存すべきか懸念も生じる一方、AIの発展に伴い、AI関連銘柄への期待も高まります。

そんな中、AIを活用する投資(AI投資)も一般的になってきました。
AI投資には、ポートフォリオの作成から売買までをAIが自動で行うロボアドバイザーを活用した投資や、どの銘柄を買うべきか・保有銘柄をいつ売るべきかをAIの提案をもとに決める投資などがあります。

本記事では、AI投資についてお伝えすると同時に、AI関連の注目の市場についても解説します。

AI投資のメリット・デメリット

便利なAI投資ですが、メリットもデメリットもあります。

AI投資のメリットには以下などがあります。

・自動売買なら時間や手間がかからない
・投資の知識があまりない人も始めやすい
・AIに提案してもらうことで投資判断がしやすくなる
・感情に左右されない冷静な取引ができる

一方、AI投資のデメリットには以下などがあります。

・AIを使うアプリやソフトの利用料・手数料がかかる
・投機的・短期的な投資には向かない
・投資スキルが向上しづらい

筆者によるAI投資の活用事例

私はロボアドバイザーを活用した積立投資を4年ほど行っています。その経験から、ロボアドバイザーを使って良かったこと・そうでもなかったことをお伝えします。

ロボアドバイザーを使って良かったのは、やはり手間がかからず、堅実な運用を期待できることです。時間も知識もあまりない投資初心者の方には、特に向いていると言えます。
コロナショックのような大きく株価が変わりやすい時期にも、ロボアドバイザーによる分散&積立型の投資手法は効果的です。

2020年の年初を振り返ると、その年の夏に開催予定だった東京オリンピックに向けて日本経済は上向き、株価は上昇傾向でした。
ところが、新型コロナウイルスが想定外の猛威を振るい、経済活動にも大きな影響を与え、2020年3月には世界的に株価が大きく下落しました。こういった局面において自分で売買の判断をすると、投資初心者はもちろん、あるいは中級者であっても、買い時・売り時を間違えて大きな損をしてしまうことがあります。

一方ロボアドバイザーの場合、その他の積立投資と同様、自動的に一定の頻度で一定の金額を着々と積み立ててくれます。ロボアドバイザーの特徴は、最初に簡単な設定をしておくだけで、希望するリスク許容度に応じてAIが作成したポートフォリオの積立投資ができる点です。

ポートフォリオには米国株、日欧株、新興国株などを含んでいるため、分散して様々な株式に投資することができます。それに加えて、債券や金、不動産、現金もポートフォリオに含めることで、さらに広く資産を分散してくれます。

自分のポートフォリオの内訳が個別株のみだった場合、株価が大きく下がった際に狼狽売りなどをして著しい損失を被っていたかもしれません。しかし当時の私は、「気にせず放っておくのが一番」と思いロボアドバイザーで積立投資を続けました。つまり、感情には左右されず、ドルコスト平均法に従った積み立て投資を続けたのです。

コロナショックで大きく株価が下がった時期にも一定の金額を積み立て続けた結果、株価が2020年6月に戻ってきた時には含み益が出るようになり、2021年2月に日経平均株価が3万円を越える頃には、数十%の含み益が出ていました。

一方、ロボアドバイザーに頼りきってしまうと、裁量取引の実力が付かないという欠点があります。
やはり、投資およびトレードで継続的に大きな利益をあげたい場合は、自らの実力を地道に高めていく必要があります。

現在は、伝統的な対面証券からネット証券を活用した取引の他、前述のロボアドバイザーや、ジャパンネクスト証券株式会社他2社が提供するPTS(私設取引システム)を活用した取引も可能です。一般的に、株の売買は証券取引所が開いている時間にしかできませんが、PTSを活用することでそれ以外の時間でも取引することができます。

このように方法も取引時間も多種多様な選択肢の中から、ご自分の手法及びライフスタイルに合った投資を検討してみてください。

また余談ですが、さらに資産を分散させるために、ポートフォリオに暗号資産(仮想通貨)やNFT(アート分野などで注目される代替不可能なトークン)を組み込むロボアドバイザーも増えてくるかもしれませんね。

AI関連銘柄は暗号資産市場でも注目

世間でAIへの注目度が高まると、株式市場においてはAI関連銘柄への注目度が高まり、価格の上昇も期待できます。実はこのような影響は、株式市場だけでなく暗号資産(仮想通貨)市場にももたらされています。

ビットコインを代表とする暗号資産にも株式同様、様々な種類があります。それぞれの企業がそれぞれの株式を発行するように、それぞれのWeb3(次世代のインターネット)系のプロジェクトがそれぞれの暗号資産を発行しているのです。
その中には、AI関連のプロジェクトに紐付いて発行されている暗号資産もあります。

それぞれの特徴は割愛しますが、例えば、SingularityNET(AGIX)、Fetch.ai(FET)、Numeraire(NMR)、DeepBrain Chain(DBC)などがAI関連の暗号資産として注目されています。

なお、株式市場に上場している株式よりも、暗号資産の方が、依然としてボラティリティ(商品の価格変動)は大きい傾向にあります。しかしながら、今後さらに成長が期待される分野でもありますので、ご興味あれば暗号資産市場への参入を検討しても良いでしょう。

まとめ

本記事では、特に初心者におすすめのAIを活用した投資についてお伝えすると同時に、AI関連の注目の市場についても解説しました。

基本的には、ご自分に合った投資手法を採用するのが良いと思いますが、裁量取引に使っていた資金の1割をロボアドバイザーを活用して運用し、安全性を高めるのも良いかもしれません。
その逆で、ロボアドバイザーを活用して投資していた金額の1割を、勉強も兼ねて裁量取引に使ってみるのも良いでしょう。

加えて、今後さらに伸びると期待されているWeb3分野(暗号資産、NFT、メタバースなど)についても興味を持ち、実際に投資してみるのも良いでしょう。
単純に資産を増やせる可能性があるだけでなく、新たなビジネスチャンスにつながる出会いが待っているかもしれません。
※本記事に掲載されている全ての情報は、2023年3月23日時点の情報に基づきます。

※あくまでも松村さん個人の投資手法を説明するための例示および見解であり、ジャパンネクスト証券株式会社が取引の勧誘をするものではありません。

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