金融・投資

2024.01.18

今回お話を伺ったのは…

たぱぞうさん

たぱぞうさん

投資ブログ「たぱぞうの米国株投資」の管理人。登録者数約22万人のYouTubeチャンネル「たぱぞう投資大学」を運営。2000年からなけなしの初任給で日本株を買い始めたのが投資歴の始まり。リーマンショックなどを経つつも辛うじて退場を免れる。為替が1ドル80円を切ったことから、米ドルに投資資金を切り替え、米国株投資を同時に開始。2016年から「誰もができる投資術の提案」をモットーとし、ブログをスタート。投資顧問会社にてアドバイザーをしているほか、セミナーなどを通じて米国株投資を広めている。現在は独立し、資産管理会社を経営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
『年収400万円の私にできる投資の正解を教えてください!』(https://www.hmv.co.jp/product/detail/13937803 )より

初心者にもおすすめ!?米国株の魅力

書店の投資に関するコーナーに立ち寄ると、置いてある本の種類でトレンドがなんとなくつかめます。近頃は、米国株(アメリカ株)投資に関する書籍が多く出版されており、その人気ぶりが窺えますね。
私が米国株投資を始めたころは、ほとんど見向きもされていませんでした。その頃とは全く環境が異なっています。投資の初心者でも手軽に始めやすい環境が整っており、隔世の感がありますね。折角ならばより多くの人に米国株投資の良さをお伝えしていきたい、ということを日々考えています。
米国株はニューヨーク証券取引所(NYSE)とNASDAQ市場を合わせると、5000社を優に超える企業が上場しています。グローバルに事業を展開している大型株を中心に人気がありますね。

米国株が人気な理由とは

そもそも米国株投資が手堅いとされる理由は次のようになります。
・長い歴史の中で、指数関数的に増えている
数ある投資商品の中でも、経済成長に合わせて資産を増やすには、株式が最も合理的だと言えます。特に米国株は長期的に繁栄してきました。米国の代表的な株価指数の1つであるS&P500は、長期的に年利7%近いリターンを出しています。
・投資環境が整っており、米国以外からも投資しやすい
S&P500指数に採用されるためには厳しい条件をクリアする必要があります。信頼のおける企業がS&P500指数に採用されるからこそ、安心して投資しやすいと言えるのです。また、米国は世界中から投資資金を集め、企業活動をより活発に進めています。私たち日本人も投資しやすい環境が整っているわけですね。
・ドルは基軸通貨で資産の保全性がある
せっかく投資をしてお金を増やしても、お金そのものの価値が下がるのでは意味がありません。新興国はインフレ率が高く、貨幣の価値が下がるリスクが少なくないですね。その点、ドルは世界の基軸通貨であり、信頼性が高い通貨です。ドル建てで株を持つということは、ドルで預けてドルを増やす仕組みを保有すると言えるでしょう。
マクロの視点では、ドルで資産を運用するのが必須の時代と言えますね。円ベースでみると為替リスクはあります。しかし、為替リスクを背負いつつも、あえてリスクを取らざるを得ない時代を生きていると言ってよいでしょう。
・人口動態予測では、少なくとも2100年まで長期的に成長が見込める
人口が増え続け、経済活動の中心となる世代が多い国は、経済も成長し続けやすいといわれます。中国やインドは人口は多いですが、中国はすでに人口は減少に転じていますし、インドも21世紀半ばには減少に転じると見られています。一方、米国は先進国であるにもかかわらず、2100年まで安定的に人口が増え続けると予想されているのです。
大規模な戦争や新たな感染症のパンデミックなどが起こらない限り、米国に投資するのは長期視点で資産形成をするのに適していると言えますね。
・イノベーションが起きやすい
「米国は右肩上がりの成長が続いているのはなぜですか?」という質問をよく受けますが、その答えはまさに「優れた環境で次々とイノベーションが起こってきたこと」だと言えます。
イノベーションが起きやすい条件としては、「国として若い」「挑戦しやすい」「インフラが整っている」といった点があげられます。米国は、このいずれもが揃っています。
米国では、世界を牽引するイノベーションが次々と起きていて、それが経済の発展を支えてきました。IT業界を筆頭に、その飛躍的な成長は目を見張るものがありますね。
このように、米国株は長期の資産形成に向いているポイントがいくつもあるのです。

巨大 IT 株の動向に見る米国株の今

米国で生まれたIT企業は、米国のみならず世界中で手放せないインフラとして大きく成長してきました。グーグルやアマゾンなどは日本国内でもよく利用されているのではないでしょうか。
ところが、あまりに大きな影響を与える企業は、米国以外の産業を圧迫しかねません。そうならないように、巨大IT企業への規制を強める動きが欧州をはじめ、各国で見られます。日本も追従するという話ですので、実際の運用がどのようになるかは興味深いところです。
内容は、制裁金が売上ベースで課されるというものです。発動すれば、該当する企業にとっては大きなインパクトとなるでしょう。とはいえ、直接的な課税の変更ではないので、話し合い・調整の余地は残っています。
話は若干大きくなりますが、根本の安全保障の枠組みとして、EUを始めとする西側諸国は米国を意識せざるを得ません。そのため、極端に収益性を損なうような法は導入しにくいはずです。
管理の内容や、やり方次第ということですね。個人的には、程よく着地させるのではないかと思っています。
そのため、現時点ではそこまで心配する必要はないでしょう。

米国株の今後の見通し

2023年の前半戦では、S&P500をはじめ、米国株は全体的に良く上がりました。2022年の反動という部分もあるのでしょう。ただし、その頃下値を意識した3600ポイントの時から、EPSについてはほとんど変化がありません。つまり、株価は戻りましたが、長期的な成長性はまだ見通しが不透明なままと言えます。
そうなると、上値も重く、ここからさらに高値を追うのは難しいと考えています。2023年前半に良く上がりましたので、それで御の字とするのがほどほどで良いのかなと思います。
為替も円安が重たいため、積極的にドル転して買い向かう状況でもなさそうです。毎月の積み立て投資は淡々と続けていくのが良いですが、スポットで大きく動く市況ではなさそうですね。
株価は上がるときもあれば、下がるときもあります。短期的な値動きに振り回されるのは避けたいですね。そのような時には、長期的な視点でとらえるのが良いとされています。
先ほどお話したように、米国株は長期的な視点で投資するのに適した条件がそろっています。自分の資産をじっくりと育てるという気持ちで、長期的に取り組むことをおすすめします。
ターミナルポイントが見えてきたのは明るいニュースですが、すでにリスクプレミアムの調整は終わっており、過度なポジションは控えたいところです。また、今後、政治的な決定や会合があるでしょうが、本質である数字に向き合いたいですね。

まとめ

米国株は長期的に資産形成をしたい人にとってはぴったりの資産運用です。特に初心者の方や、投資に時間をかけたくない方には、S&P500などのインデックス株を毎月淡々と積み上げていく投資がおすすめです。
投資が好きな人や企業業績の分析に興味がある人は、個別株に挑戦してみても良いでしょう。株式投資に分散は不可欠ですが、一方で、ある程度集中させたほうが一撃の効果が大きいのも確かです。ただし、集中投資は成果のボラも大きくなりがちですから、そこは注意が必要でしょう。
いくつもある銘柄の中から、これぞという銘柄を見つけ出すのは個別株投資ならではの醍醐味といえます。まずはしっかりとした基準をクリアしたS&P500採用銘柄から選ぶなど、失敗の可能性をできるだけ排除して取り組むのが良いですね。
さらに上級者を目指すのであれば、信用取引やCFDを活用したトレードもあります。ただ、これらは資産形成に必須の知識ではありません。知識とセンスが問われる上級者向けと言えます。まずはインデックス投資で資産形成の土台を固めて、そのうえで挑戦してみたければ勉強を始めるぐらいで良いでしょう。
ちなみに、毎月決まった額を投資していくとなると、家庭の収支を把握することが不可欠となります。投資で資産を増やすだけなく、家計のキャッシュフローの改善も必然的に良くなっていくというパターンが適切ですね。積立投資をすることによって、投資だけでなく、稼ぐ力、蓄える力、そして上手に使う力をバランス良く向上させていくことが期待できます。
長期的な資産形成を成功させるには、時間をかけて少しずつ、経済活動の成果を株主として享受する仕組みを自分の家計に取り入れるのがポイントとなります。短期的な株価の変動にはあまり気にしないぐらいがちょうど良いのですね。そして、長期的に資産形成をしていくとなると、やはり米国株以上に適した国はなかなか他では見られません。私が自信をもって米国株投資の情報を発信しているのは、こういう理由があるからです。
これからも1人でも多くの方と米国株投資の良さを分かち合っていければいいなと、日々情報発信に励んでいます。
※本記事に掲載されている全ての情報は、2023年8月10日時点の情報に基づきます。
※あくまでもたぱぞうさん個人の投資手法を説明するための例示および見解であり、ジャパンネクスト証券株式会社が取引の勧誘をするものではありません。

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