夜間取引

2024.02.27

「2023年 夜間取引の売買代金トップ3×3」を発表

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私設取引システム(Proprietary Trading System、以下PTS)の運営を主軸に金融サービスを展開するジャパンネクスト証券株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:山田正勝)は、「2023年 夜間取引の売買代金トップ3×3」を発表いたします。2023年の夜間取引市場で売買代金が多かった日のトップ3とその日の銘柄トップ3をランキング形式で発表するとともに、その理由や夜間取引市場を活用するメリットを解説します。  ※2024年1月時点/PTS(私設取引システム)の売買代金において/当社調べ

ジャパンネクスト証券は、PTSの運営に特化した証券会社です。PTSとは、取引所を介さずに株式などの有価証券の売買を成立させる取引システムのことで、東証をはじめとする取引所と同様に、投資家の皆様に取引の機会を提供しています。
国内で唯一、夜間取引が可能PTSを運営しているジャパンネクスト証券は、2023年8月14日より夜間市場の取引時間を23時59分から翌朝6時まで延長しました。本変更により、日本時間の深夜過ぎにも、海外の企業決算や重大ニュース、市場動向などを見ながら取引を行うことが可能となり、日本株式市場の活性化に寄与してまいりました。
この度、1年の振り返りとして、2023年の夜間取引で何が起こったのか、夜間取引を活用することでどのような効果が得られたのか、公益社団法人日本証券アナリスト協会認定アナリストSBI証券 投資情報部長 鈴木 英之氏に解説していただきました。
夜間取引市場をチェックすることで、投資家皆さまにおかれましては、損失の回避や利益の確保の実現が期待できます。ぜひ夜間取引が可能なPTSをご活用ください。
※本記事は、プレスリリースの転載記事です。

■第1位:3月15日(水)夜間の売買代金:149億円

<内訳>

【1位】
【2位】

<考察>

米国での地銀破綻がクレディ・スイスの経営不安に飛び火した不安定な時期であったため、日本時間の夜に、海外発のニュースが入り、PTSを利用して翌日以降の東京市場の取引に備える動きが増えたと考えられます。
3月10日に米国でテック企業に資金を供給してきたシリコンバレー銀行が破綻、12日にはシグネチャー銀行が破綻しました。米金融引き締めの影響で米国債利回りが上昇(相場は下落)したことにより、「不安」は世界的な金融大手クレディ・スイスにも波及しました。
3月15日には、スイス国立銀行が必要に応じて、クレディ・スイスに流動性を供給する用意があると示唆しましたが、このことは一見好材料ですが「そこまで悪いのか」という疑念につながりやすい材料でもあります。
3月月間では、SBI証券の「売買代金上位」として日経平均レバレッジ・インデックス(1570)は第2位ですが、日経平均ダブル・インバース(1357)は10位以内に入っていません。しかし、15日の夜間取引では日経平均ダブル・インバースが第2位になっており、機敏に動いた投資家が増えたことがわかります。なお、図にあるように15日夜間の日経平均レバレッジ・インデックスは概ね350円から368円程度の価格帯で推移していましたが、翌日の東京株式市場の価格帯は357円~369円であり、前日夜間に先行して織り込みが進んでいた形になっています。

■第2位:3月13日(月)夜間の売買代金:110億円

<内訳>

【1位】
【3位】

<考察>

先述の通り、クレディ・スイスの株価が急落した日だったため、15日同様、日経平均レバレッジ・インデックス (1570)の売買が活発に行われました。
第3位には国際ETF VIX短期先物指数(1552)がランクインしましたが、3月月間のSBI証券の「売買代金上位」10位以内には入っていません。S&P500ベースで相場が大きく動く(波乱となる)と予想される時、価格が上昇するETFで、クレディ・スイスの株価を横目にリスクヘッジに動いた投資家が多かったとみられます。
3月13日「VIX短期先物指数」は概ね1,320円~1,470円で動き、14日の東京市場では1,401円~1,433円の価格推移でした。14日の日経平均株価終値は610円安でしたので、リスクヘッジに成功した投資家も少なくなかったとみられます。

■第3位:5月17日(水)夜間の売買代金:103億円

<内訳>

【1位】

<考察>

個別株に関係する情報の交錯があり、東証スタンダード市場に上場するAbalance(3856)に関連する取引において夜間取引で売買が膨らみました。同社は5月15日の取引終了後に23.6期3Q(22.7~23.3期)の決算発表を行い四半期累計純利益が前年同期比5.5倍になったことを発表しました。16日の同社株終値は13,240円(2,620円高)と急騰しましたが、その後は17日に3,000円安(ストップ安)、18日に2,010円安となりました。16日付で海外から真偽不明の売りレポートが出たことに反応したものです。17日に会社側は、当該レポートについて事実無根の内容が多いと主張するリリースを発表しています。17日の夜間取引は強弱材料が対立する中、概ね8,500~10,000円で推移し、18日の東京市場では7,240~9,270円の推移となり、夜間市場は先行して織り込む形になりました。
鈴木 英之(すずき ひでゆき)さん

鈴木 英之(すずき ひでゆき)さん

公益社団法人日本証券アナリスト協会認定アナリスト SBI証券 投資情報部長
早稲田大学卒。旧日栄証券(現SBI証券)入社、リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資情報部長に。モーニングスター株式会社(調査分析部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオNIKKEI(月曜日)、ストックボイス(木曜日)等でコメントを発信中。ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。

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