夜間取引

2022.09.22

投資歴12年にして、夜間取引に初挑戦! #04

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ストップ高銘柄の夜間取引投資法に再現性があるか試してみた!

まとわりつくような夏の暑さもいつのまにか過ぎ去り、過ごしやすい季節になってきました。まだまだ日中は夏の名残を感じますが、陽が暮れたあとの空気は、ほんのり冷たく心地よく感じます。秋の夜長は、まさに夜間取引にぴったりですが、残念ながら前回のような幸運には恵まれませんでした。

<材料乏しい中、銘柄選びに苦戦>

8月半ばを過ぎると、決算発表ピークも終了。決算銘柄狙いの売買が落ち着いてしまいました。また、お盆休みや海外投資家がバケーションでお休みする影響もあってか、日中の売買も出来高が少なく閑散とした日も多くなります。ましてや夜間取引市場も同様に静かな日が多くなりますが、人がお休みしているときにこそチャンスがあるかもしれません。前々から夜間取引は流動性が低いため、売買が成立しづらいとボヤいておりましたが、逆に流動性の低さが、価格のギャップをもたらし、思いのほか割安で買えるという一面もあると思います。夜間取引初心者ではありますが、ひょっとしたらおいしい思いができるかも!?

問題は、材料が乏しい中での銘柄選びです。短期的に株価が急騰しそうな材料が出てくれればいいのですが、市場全体のムードもあまりよくないことから、投資家が飛びつく話題が出てきません。
そんな中、8月29日(月)、環境省が「都市鉱山」と呼ばれる使用済みの電子機器から金属を回収して再資源化する量を2030年度までに倍増させると報じられたことで、リサイクル関連銘柄が軒並み急騰しました。

都市鉱山というのは、1988年に東北大学選鉱製錬研究所(現在は多元物質科学研究所)の南條道夫教授らが、地上に蓄積された工業製品を資源とみなして名づけられたリサイクル概念で、採鉱・製錬という視点で、省資源・省エネルギーの可能性が非常に大きいと注目されています。とくにレアメタルと呼ばれる希少金属は、ロシアやウクライナなどの東欧地域の産出量が多いため、安定的な確保が困難になっており、政府も本気を出してきたようです。

感度のよい投資家さんたちが、そのニュースに飛びつき、都市鉱山銘柄が幅広く物色されました。その中でわたしが、夜間取引のために目をつけたのは、アサカ理研(5724)。日中ストップ高をつけており、時価総額は90億円弱と小粒です。うまく安値で拾えれば、数日間は株価がぐんぐん上昇するかもしれない。”捕らぬ狸の皮算用”でニヤニヤしながら日中の取引終了を見届け、夜間取引に備えました。

ところがです。お恥ずかしい話ですが、その後すっかり取引するのを忘れてしまったのです! 言い訳すると夜の講義が入っており、その準備でバタバタしておりまして……。
気づいたときには夜間取引時間は終了。翌日は前日の終わり値より高く始まりましたので、非常に悔しく感じましたが、その後下げに転じ、終値は、前日より4%近くも下げていました。

これは逆にチャンスかもしれない。

30日(火)の日中の終値は1,719円。21時過ぎに確認すると1,728円と終値よりも上昇しています。

藤川さんよりご提供頂いた取引画面

チャートを見ると、おおむね1,700円が下値目安に見えますので、1,700円で指値注文を出しました。しかし、この閑散相場ですので、約定する確立は極めて低い。そこでもうひと銘柄、同時注文することに。
選んだのは、前々から気になっていた坪田ラボ(4890)です。今年の6月のIPO銘柄で、上場以来、比較的株価が堅調でなかなか買えるタイミングがありません。ただ、上場直後の熱狂ぶりはやや冷めてきましたので、このあたりで100株だけ買っておいて長期で握るのもおもしろいかと思いました。
以前もお話ししましたが、わたしは日中売買しているメイン口座と、夜間取引で使っているサブ口座が分かれているため、日中にサブ口座を見ることはほとんどありません。そのため値動きが気にならず、結果サブ口座で買った銘柄は長期保有しています。坪田ラボも、もし買えたとしたらそのまま忘れて3年くらいたったときにびっくり!みたいな展開が期待できます。またもや、”捕らぬ狸の皮算用”でニヤニヤしながらPTSの板を確認しました。

藤川さんよりご提供頂いた取引画面

案外、板は厚めです。いちばん高い注文が1,166.8円。そういえば夜間取引では、呼値が通常の取引より細かく指定できるのでした。※ここまでの注文は、一円未満まで指値指定したことありませんが、せっかくですからトライしてみましょう。

※証券会社の板や注文画面では細かい刻み値が表示されていない場合でも、PTS市場では、日中・夜間に関わらず取引所よりも細かい刻み値でのお取引が可能な場合があります。

藤川さんよりご提供頂いた取引画面

0.1円だけ高い1,1166.9円で指値注文です。

2銘柄のうちどちらかが約定してくれれば大成功と思いベッドに入りました。そして、翌朝、ワクワクしながらスマホをチェック。

そうはうまくいきませんね。どちらも約定しておりませんでした。

<ストップ高の低位株銘柄にふたたびチャレンジ!>

若干、気持ちは萎えましたが、ここでもう一度、前回の成功パターンを試してみることにしました。低位株のストップ高銘柄は、翌日もストップ高になりやすいという経験値で編み出した(それほど大袈裟なものではないですが)日中ストップ高低位株夜間取引投資法です。ふたたび同じ方法で成功すれば、再現性が確立され、夜間取引の勝ちパターンとしてわたしの引き出しが増えることになります。

31日のストップ高銘柄から比較的低位のアールエスシー(4664)をチョイス。総合ビル管理会社で、人材派遣なども行っています。正直、あまりこの銘柄のことは知りませんが、短期売買ですので、ファンダメンタルよりも受給が重要だと思います。時価総額が20億円以下の超小粒ですが、日中の取引の板を見ると買いの勢いがとても強い! 

藤川さんよりご提供頂いた取引画面

この調子なら、明日も上昇しそうです。日中の終値558円よりやや低い545円で指値注文を出しました。流通株式が少ないので、今保有している人は、ストップ高で勢いついているうちに売りたいと思ってもおかしくありません。うっかりそういう人からお安く買えればしめたものです。

結果、見事約定! 夜間取引で約定すると、翌日の相場が楽しみになりますね。

ところが、寄り付き前の板状況は、昨日の終値よりもかなり低く、寄り付き値は507円です。ここで売却すると損失になりますので、少し様子見しておりました。その後、566円まで上昇しましたが、わたしのイメージではストップ高ですので、ここで手放すわけにはいきません。もう少しもう少しと睨んでいるうちに、また値を戻して結局541円で終了。
じつはそのままいまだ売却できていません。夜間で売り注文を出しても約定しないまま、現状5%近くの評価損となっております。残念ながらストップ高低位株夜間取引投資法は、再現性が証明されませんでした。

<まずは16時半に板をチェックする習慣を>

今回は、まったくいいところなしのご報告になってしまいました。夜間取引が習慣になっておらず、うっかり忘れてしまうというのがいちばんのダメポイントです。もっとこまめに注文状況や、PTSの値上がりランキングなどをチェックして、注文を出す習慣をつける必要があります。

たとえば、その日の値上がり率ランキング上位のものは、夜間取引開始の16時半に注文状況を確認するなど。売買はせずとも、毎日見ていると、夜間取引ならではの特徴をもっと発見できる気がします。

まだまだ奥が深い夜間取引ですね。
※あくまでも藤川さん個人の投資手法を説明するための例示および見解であり、ジャパンネクスト証券株式会社が個別企業の紹介、特定の個別銘柄の推奨、または取引の誘引をするものではありません。
また、引用の掲載画像は、藤川さんがご同意の上ご提供いただいた画像であり、ジャパンネクスト証券株式会社が情報の正確性を保証するものではありません。
本記事に掲載されている全ての情報は、2022年9月21日時点の情報に基づきます。

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