夜間取引

2022.10.14

投資歴12年にして、夜間取引に初挑戦! #03

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ついに夜間取引で売買成立!そこで感じたリアルな感想と次回への課題

いよいよ決算シーズン突入となり、ついにわたしも夜間取引デビューなるか!と勇足を踏んだものの、現実は、なかなか思い通りにならず……。実際にトライしてわかった夜間取引のむずかしさ、おもしろさについてお話ししましょう。

<銘柄選びは日中取引以上にむずかしい>

まずウォーミングアップ代わりにトライしたのは、日経平均の2倍の変動率で動くよう設計されているETF、NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(1570)です。この銘柄なら一株から買えますし、そこそこ流動性も高いので多少の失敗も許されそうです。
世界中が注目している米雇用統計が毎月第一金曜日、今月は8月5日(金)の日本時間の21時半に発表されます。その発表後に指数が動くところをキャッチしようという貪欲な作戦を企てました。
いよいよ当日を迎え、21時半をひとりカウントダウンし、雇用統計が発表されたタイミングで注文!ここでむずかしかったのは、成り行き注文ができないので、とっさに指値をいくらにするか判断しなくてはいけないことです。もたもた考えているとすぐに株価が動いてしまうので、現在値よりも少し高い株価で注文を出し、無事に約定。なかなかスリリングな体験でした。

藤川さんよりご提供いただいた取引画面

雇用統計の数字は、予想をはるかに上回り、アメリカ株は上昇、それにつられて日経平均先物の夜間取引も上昇。わたしの買ったNF日経レバも上昇しましたので、翌営業日は日中取引で14,800円で売却。85円の利益です。
正直、これが上がっても下がっても、一株だけなのでそれほど大きなインパクトにはなりません。まずは夜間取引をしてみることが目的でしたので、第一弾としては大成功といえます。
注文の仕方は心得ましたので、次はいよいよ個別株に挑戦です。
2回目のターゲットに選んだ銘柄は、8月5日(金)に23年3月期第一四半期決算を発表した山一電機(6941)です。売上は前年同期比+ 48.2%、営業利益は+ 78.8%と好調で、上期の予想値を上方修正しました。8月5日(金)の15時にこの発表が行われ、翌営業日の8日(月)は、8.1%上昇しました。
わたしは、好決算に見えても売られるといったトラップを避けるため、決算発表翌営業日は売買しません。値動きを見てから判断することにしていますので、8日(月)の値動きを見て、その日の夜間に買おうと決めました。日中取引の終値は2,100円でしたが、それより安い1,950円で指値注文を出しました。

藤川さんよりご提供いただいた取引画面

注文後、板を確認したら、しっかりわたしの注文も表示されています。しかし、うわさ通り板が薄い! 

藤川さんよりご提供いただいた取引画面

注文を出したあとは、ほとんど気にすることなく寝てしまいました。翌朝に確認したところ、約定しておらず…。どうやら個別株の夜間取引は手強いようです。
翌営業日8月9日(火)の山一電機の株価は、寄り付きが2,039円、高値が2,054円なので、もし夜間に1,950円で買えていれば、翌営業日に売却して利益が出せたことになります。
ところが、終値は1,882円と下落していますので、買ったままだと評価損を抱えることになります。
さらにその翌営業日8月10日(水)も下落していますので、むしろ夜間の注文が刺さらなくてよかった??めずらしく株の神様が味方してくれたようです。
もう少し銘柄選びを慎重にしないと、せっかく夜間取引で買えても逆に損をしてしまうかもしれません。
3回目のターゲットは、名村造船(7014)にしました。8月5日(金)に23年3月期第1四半期の決算発表を行い、営業利益が赤字から黒字転換したこともあり、8日(月)の翌営業日9日(火)はストップ高となりました。ストップ高のまま日中の取引を終えたので、買いたい人は多く、夜間取引でも流動性がそこそこ望めるのではないかという算段です。株価は8日(月)の日中の終値が522円。
夜間取引が始まり、板を見ると現在値は593円と日中の終わり値よりかなり高くなっています。ここで注文を出すかどうかは悩み所ですが、わたしの経験上、500円くらいの低位株がストップ高になると翌営業日も続けてストップ高になる傾向があります。だとしたら夜間のうちに多少高くても買っておくべきでは? 
失敗したとしても勉強代と思うことにしようと決意し、585円で100株の買いを発注。その後しばらくして約定通知が届きました。買えてしまったことで、逆に高い買い物だったかと不安になりましたが、ジタバタしても仕方ありません。

藤川さんよりご提供いただいた取引画面

そして迎えた翌営業日9日(火)、わたしの読み通り、名村造船はストップ高になりました。なぜか今回も株の神様が味方してくれています。あまり欲を出すと失敗しますので、その翌営業日10日(水)640円で売却。5,500円の利益となりました。

<実際に売買してみて感じたこと>

夜間取引で何を買うかの銘柄選びは、思った以上にむずかしく、これはもう少し慣れが必要だと感じました。普段わたしは、時価総額が500億円以下の小型株を中心に売買することが多いのですが、夜間取引だと、その程度の小粒の銘柄はほとんど売買が成立しないようです。今まであまりウォッチしていなかった大型銘柄へも意識を向けたほうがよさそうです。たとえば夜間取引の値上がり率ランキングなどを確認しつつ、出来高が多いものを狙うというのもひとつの手かもしれません。
今回わたしがたまたま(?)成功した日中のストップ高銘柄を狙う投資法に再現性があるかどうかも、引き続き検証する必要があります。
思った以上に気持ちを楽にしてくれたのは、売買手数料がかからないことです。現状、夜間取引ができるのはSBI証券、楽天証券、松井証券の3社ですが、SBI証券は無料、楽天証券は日中の売買と合わせて100万円以内なら無料(1日定額コースの場合)、松井証券は50万円まで無料と多くの方にとって有利な条件になっています。とくに今回のわたしの売買は、数千円の利益を狙ったものなので、それに手数料がかかってしまうとかなり薄利となりやる気がそがれてしまいますよね。
さらに成功率を高めるためには、売り時の見極めも重要です。夜間取引で買う場合は、なんらかのイベントでの値動きを狙う場合が多いので、そのイベントによる株価への圧力が失われる前に売却しないといけません。欲を出して持ち続けていると、失速してしまう可能性があります。
こう考えると、初心者の方にはなかなか手が出しづらいように見えますが、やみくもに買うのではなく、一定のルールを決めておくのがよいと思います。たとえば、夜間取引で買った銘柄は、翌営業日の日中取引で上げても下げても売ることにするとか、100株のみの注文にするとか、500円以下の銘柄だけにするとか、そうすれば、失敗したとしてもそれほど大きなダメージを負うことはないですし、夜間取引を余裕をもって楽しむことができると思います。

<今後の課題は?>

正直、夜間取引は自分の持っている銘柄を売る場合のほうがメリットが高く、失敗も少ないような気がします。
たとえば保有株が日中の取引後に決算発表を行い、それを受けて夜間取引で高値がついたときに売ります。翌営業日の日中取引で、それ以上の株価になると残念ではありますが、流動性の低い夜間のほうが、上にも下にも株価が動きやすいので、日中より高値で売れる確率はそこそこ高いのではないでしょうか?
そのために、夜間取引ができる証券口座でもう少し保有株を増やしていこうと思います。
もうひとつの課題は、どうしても15時で日中の売買が終わると気が抜けて、夜間取引開始の時間を忘れてしまうことです。気付くとスタートした16時30分から数時間経っていることが多いのですが、どうやら夜間取引もスタートした直後がいちばん売買が活発なようです。そのタイミングを狙ったほうが思った値段で約定しやすそうなので、次回はアラームをかけて挑むつもりです。
※あくまでも藤川さん個人の投資手法を説明するための例示および見解であり、ジャパンネクスト証券株式会社が個別企業の紹介、特定の個別銘柄の推奨、または取引の誘引をするものではありません。
また、引用の掲載画像は、藤川さんがご同意の上ご提供いただいた画像であり、ジャパンネクスト証券株式会社が情報の正確性を保証するものではありません。
本記事に掲載されている全ての情報は、2022年8月19日時点の情報に基づきます。

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