デイトレードとは?メリット・デメリット 取引の始め方を解説!
資産運用は中長期投資で、とよく言われるものの、短期で効率よく収益を上げていく方法も存在します。その1つがデイトレードです。本稿では、デイトレードとはいったい何なのか、どのようなメリット・デメリットがあるのか、どのように始めればよいのか?といった初心者向けの視点から、デイトレードについて解説していきたいと思います。
デイトレードとは
デイトレードのデイは1日を意味します。つまり、デイトレードとは、1日のうちに株式などの金融商品を売買して利益を確定させる取引手法です。
基本的に、その時々に注目される株式などを売買し利益を確定していきます。デイトレードにおける利益は、原則として値上がり益のみです。もちろん、株価が下がると思い空売りを行うことで利益を得ることも可能です。売買益のみを取りに行くことがデイトレードのポイントになります。
デイトレードとスイングトレードの違い
デイトレードと似たような手法にスイングトレードと呼ばれる取引方法があります。スイングトレードは、1日の中で売買して利益を稼ぐ方法ではなく、主に数日から数週間程度株式を保有し、その後売買により利益を稼ぐ方法です。そのため、デイトレードよりかは取引期間が長めに設定されます。
デイトレードの場合、1日の中での値動きの売買のため、大幅な利益を稼ぐというよりかは少額でもコツコツ稼ぐスタイルです。これに対して、スイングトレードは、相場の流れを読み取り、ある程度大きなリターンを得ることができたところで売買することになります。
いずれも短期売買の手法に属するものの、相場の流れによってはスイングトレードの方が大きなリターンをもたらす可能性があります。
デイトレードのメリット
デイトレードのメリットにはどのようなものがあるでしょうか。まず、百万株などまとまったトレードを行い、仮に1日で1株に対して+1円となれば、+100万円となります。つまり、取引金額や取引株数が多くなると株価が少し動くだけで大きなリターンをもたらす可能性があるのです。
わずかな時間の中で、株価が上がりそうかどうかを瞬時に判断していく必要があります。翌日に持ち越さないため、市場がクローズ時に悪いニュースが流れても影響はありません。また、1日の中で売買を行うことから、利益確定だけではなく損切もしっかり行うようになります。いわゆる株の塩漬けは発生しません。株の塩漬けは、買った時よりも株価が下がった場合に、そのうち元に戻すだろうと信じて保有したものの、どんどん含み損が増えてしまう状況を指します。含み損が増えると、精神的にもよくありません。しかしながら、デイトレードは売買をその日のうちに終了させるため、含み損がさらに拡大していくといった心配はありません。
デイトレードのデメリット
デイトレードのデメリットは、その日のうちに売買を終了させる必要があることです。仮に好材料なニュースが出た場合に、株式売買ですぐに利益を得られる可能性があるものの、スイングトレードのようにもう少し長く保有すればさらなるリターンが見込めた。売らなきゃよかった、といったことが起こりえます。
デイトレードでは、基本的にテクニカル分析と呼ばれる、チャートなどから今後の株価の値動きを予測してトレードを行います。テクニカル分析を正確に行うことができなければ、売買タイミングの見極めができません。そのため、その企業の株式の値動きのクセや、テクニカル分析手法をある程度マスターできていないとデイトレードで勝つというのはなかなか難しいかもしれません。結局のところ、経験値が必要です。
デイトレードは、一日の間に何回も取引を行うため、確率論から言えば取引回数が増えるほど勝つだけではなく負ける回数も自ずから増えることになります。損切や利確がしっかりできるようにならないと、トータルでの利益を増やすことができません。売買手数料がかかる場合には、手数料がかさむ可能性もあります。そうした取引の管理をしっかり行うことが大切です。
デイトレードの始め方ー3ステップー
それでは、デイトレードはどのように始めればよいか説明していきます。
ステップ1:口座開設
まずは証券会社にて口座開設を行う必要があります。デイトレードでは売買頻度が高くなるため、株式の売買手数料がかからない、もしくは割安となる証券会社を選択したほうが良いでしょう。
口座開設の申し込みはインターネットからも行えます。運転免許証など必要となる身分証などを用意し、申込します。
ステップ2:証券会社へ入金
口座開設ができたら、次に証券会社へデイトレードを行うための資金を入金します。次に、チャート分析などを的確に行うためにパソコンやスマートフォンも準備しましょう。チャートなどの取引ツールは、まずは各証券会社が提供しているものを使うと良いでしょう。
ステップ3:デイトレード開始
さて、準備ができたらいよいよデイトレードにチャレンジとなります。その際に、まずは取引ルールを決めておきましょう。例えば、〇万円プラスになったら売却する、〇%上がったら利確、〇%下がったら損切といったようにルールを決めておくと良いでしょう。まずは少額からでも経験値を積み、ご自身なりのデイトレード手法が確立できるようになると良いですね。
銘柄の選び方
それでは、デイトレードを行うにあたって、銘柄はどのように選定していけばよいでしょうか。様々な考え方がありますので、ここでは代表的な銘柄選定の仕方について解説します。
日々の値動きが大きい銘柄を狙う
デイトレーダーに好まれるのが、値動きの大きい銘柄です。例えば、株価が100円の銘柄が1日に90~110円の間で動いているとします。±10%ほど一日に動く傾向があれば、うまく取引できれば1日で20%近いリターンを上げることが可能となります。ただし、毎日がそのような動きになるとは限りません。値動きが大きいと損失の際の損失額も膨らむ可能性がある点には注意が必要です。
出来高の多い銘柄を探す
デイトレードでは、常に売買できることが前提条件です。出来高が少ないと値幅が大きくなる可能性があり、売りたい値段で売れない可能性も高まります。これに対して、出来高が多ければ売買できないといったリスクは避けることができます。
出来高の多い銘柄は、企業規模の大きい有名企業や好材料などニュースのあった銘柄になります。その時々の人気や旬となるテーマ株なども該当します。そうした銘柄から探していくのも良いでしょう。
デイトレードとPTSの関連
デイトレードは、証券取引所で株式取引が行われている時間に必ずしも行う必要はありません。証券取引所を介さずに株式を売買できる仕組みであるPTS(私設取引システム)を利用して売買する方法もあります。
証券会社によっては、昼間だけではなく、夕方や夜の時間帯でも日本株式の売買が行えます。例えば、15時半を過ぎると証券取引所での取引はクローズしますが、一方で、15時半以降に企業の決算発表など重要な情報公開が行われることがしばしばあります。こうした情報は翌営業日の朝の株価に影響を与えます。もし好材料であればだれよりも早く買って利益を得たいと思いますよね。その際に利用できるのがPTSです。
PTSでは重要な情報公開が行われた夕方以降に売買が可能なため、翌営業日を待つことなく先回り買いができます。注目度が高まるとPTSでも株価は大きく上昇することでしょう。結果的にPTSの売買でデイトレードを行い利確するといったことも可能です。
もちろん、自信がある方はPTSで買い、翌営業日以降に売却するといったことも考えられます(この場合スイングトレードになりますが)。
まとめ
いずれにせよ、経験値がモノをいう世界となりますが、デイトレードも様々なやり方があります。短期売買での利益を得たい方は、まずは少額からでもチャレンジしてみましょう。そして、ご自身なりのトレード手法がつかめてくると、勝率も高まっていくことでしょう。
※本記事に掲載されている全ての情報は、2025年6月28日時点の情報に基づきます。
※あくまでも伊藤亮太さん個人の投資手法を説明するための例示および見解であり、ジャパンネクスト証券株式会社が取引の勧誘をするものではありません。