取引・トレーディング

2026.08.05

今回お話を伺ったのは…
足立武志(あだちたけし)さん

足立武志(あだちたけし)さん

公認会計士・税理士・個人投資家。足立公認会計士事務所代表。株式会社マネーガーディアン代表取締役。一橋大学商学部経営学科卒業。
28年にわたる株式投資の経験をもとに、個人投資家が株式投資・資産運用で成功するために必要な実践的な知識・情報を書籍、セミナー、コラム、ブログ、メルマガ等で精力的に提供。「株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書」「株を買うなら最低限知っておきたい 株価チャートの教科書」(いずれもダイヤモンド社)はシリーズ累計27万部のベストセラー。楽天証券にて株式投資や税金コラムを15年にわたり連載中。
公式ブログ:https://kabushiki-adachi.com/
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フジクラ(5803)の株価推移を振り返る

(引用元:ジャパンネクスト証券)

電線大手のフジクラ(5803)は、長らく地味な値動きを続ける銘柄でした。2000年のITバブル時も、同業である古河電気工業(5801)の株価がおよそ10倍にまで高騰したのに対し、フジクラは3倍程度の上昇にとどまりました。
その後も大きな上昇をすることはなく、20年以上にわたり平穏な株価の動きとなっていました。
しかしそんなフジクラ株がここ数年で急変貌を遂げたのです。
AI向けの光ケーブル等の需要が急増したことなどもあり、業績は急上昇、株価も2022年3月の安値83円(株式分割考慮後)から2026年5月には7933円まで上昇し、4年強で100倍近くまで株価が上昇しました。まさに今回の上昇相場の中心銘柄の1つです。
その一方、5月高値7933円を付けた後は1か月で3888円と半値にまで急落するなど、直近はかなり値動きの荒い展開となっています。
ここから、今回の上昇局面で象徴的だった値動きについて、株価チャートを見ながら追いかけてみたいと思います。

25日移動平均線を上回り続けた半年間(2025年5月~11月)

(引用元:ジャパンネクスト証券)

筆者がフジクラ株の最も象徴的な動きとして記憶に残っているのが、2025年5月~11月です。
このおよそ6か月半もの間、フジクラの株価は25日移動平均線を上回り続けたのです。25日移動平均線を上回っている間の株価上昇はおよそ3倍にもなります。
25日移動平均線を上回るということは、言い換えればその間株価はずっと上昇をしていることになります。
25日移動平均線を上回る期間が長くなればなるほど、その銘柄の株価は大きく上昇することを意味します。
ただ通常は、25日移動平均線を上回る期間は3か月も続けばかなりの継続期間であり、1か月続けば十分御の字です。
1か月続いただけでもそれなりのプラスになりますから、これが6か月以上続けば、非常に大きなプラスをもたらしてくれます。
もし2025年5月に25日移動平均線を超えた直後に買い、2025年11月に25日移動平均線を割り込んだ直後に売る、このルールを守ることさえできれば、たったこれだけで投資額を約3倍にすることができたのです。
筆者は当時フジクラ株を投資候補銘柄としてウォッチしていなかったため、フジクラ株が25日移動平均線を超えて上昇し続けていることを知った時は、かなり株価も上昇した後でした。
もし筆者のウォッチ銘柄だったなら、半年で株価が3倍にできただろうと思うと今でもちょっと残念な気持ちになります。

25日移動平均線を用いた売買ルールとは

ちなみに筆者が用いている売買ルールは、「25日移動平均線を超えたら買い、割り込んだら売る」という極めてシンプルなものです。
<25日移動平均線を用いて売買タイミングを読むポイント>
もしこのフジクラ株を良いタイミングで買うことができたとしても、売買ルールがないとどうなってしまうでしょうか?
よくあるケースが次の2つです。
(1)上昇途中で「そろそろ天井だろう」と売却してしまい、大きな利益を逸してしまう
(2)トレンドが上昇から下降に転じても(25日移動平均線を割り込んでも)そのまま保有を続けた結果、さらに株価が大きく下落してしまい、利益を逸してしまう
だからこそ、利益を大きく伸ばすために売買ルールを設定しておくことはとても重要だと思っています。

急上昇から一転して半値まで調整(2026年1月~5月)

引用元:ジャパンネクスト証券

2025年11月中旬~2026年1月中旬にかけ調整局面が続いていましたが、1月下旬になり再び株価が動意づきました。
特に4月以降の株価は急拡大し、1月の上昇スタート時点から5月14日の高値7933円まで3倍近くに達しました。
この間もおおむね25日移動平均線を超えて推移していましたから、「25日移動平均線の売買ルール」を用いていれば利益を伸ばすことができました。
この株価急上昇にストップがかかるきっかけとなったのが2026年3月期の決算発表です。
これを受け、5月14日の高値7933円から5月20日安値4156円まで一気に急落、その後のリバウンドがあったものの、6月11日には3888円の安値を付け、高値から1か月で株価は半値の水準まで下落してしまったのです。
5月14日の高値をつけた時点では25日移動平均線からの乖離率がかなり大きかったため、25日移動平均線を割り込んで売却するタイミングでは高値から25%ほど下落した水準となりました。
筆者自身もこのときフジクラ株を保有していたため、かなり利益が削られることになってしまいました。
これを避けるために、25日移動平均線からの乖離率が大きくなったら上昇途中でも適宜利食い売りをする、という方法もありますが、株価がどこまで上がって、いつ天井をつけるかは事前には分かりません。
正直どの方法をとればベストかは「神のみぞ知る」の世界ですから、自分自身が納得する方法で動くしかないと思います。

業績予想の上方修正もすぐに株価剥落(2026年6月~7月)

(引用元:ジャパンネクスト証券)

2027年3月期の業績予想が期待外れで株価が調整するなか、突然のニュースがありました。
フジクラは2026年6月18日、2027年3月期の通期連結業績予想を大幅に上方修正し、売上高は1兆4620億円(前回予想比17.6%増)、営業利益は3100億円(同46.9%増)に引き上げたのです。
これを受け株価は急騰。発表前(6月18日)の終値4461円から、2営業日連続のストップ高比例配分を経て、6月23日には7068円まで急騰しました。
6月18日の終値は25日移動平均線を割り込んでいたので筆者はこの急騰に乗ることはできませんでしたが、今回の急騰は長く続きませんでした。
6月23日に高値を付けた後は下落に転じ、7月17日には4280円まで下落しました。業績予想の上方修正直前の株価をも下回ってしまったのです。
これは、今回の上方修正はすでに株価に完全に織り込まれたことを意味します。業績が好調なのにも関わらず株価が下落している場合は、将来の業績の鈍化を投資家が懸念している可能性もあります。
業績好調だからと株価が下落する中で持ち続けるのではなく、筆者が行っているような「25日移動平均線を割り込んでいる間は保有しない」などというルールも併用し、大きな損失や塩漬け株の発生につながらないよう心掛けるようにしてくださいね。
※本記事に掲載されている全ての情報は、2026年7月28日時点の情報に基づきます。
※あくまでも足立武志さん個人の投資手法を説明するための例示および見解であり、ジャパンネクスト証券株式会社が取引の勧誘をするものではありません。

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